現在、アニメ放映中の超人気漫画『中間管理録トネガワ』。
言わずと知れた『カイジ』のスピンオフ作品で、その圧倒的クオリティで人気爆発。
現在も絶賛連載中であり、続刊となっている。
中間管理録トネガワ(1) (ヤングマガジンコミックス)[Kindle版]
さらにヤングマガジンでは、同じくカイジのスピンオフとして『一日外出録ハンチョウ』が連載中。
こちらもネットで話題、説明不要レベルに大人気。まずアニメ化も間違いあるまい。
@やわらかスピリッツ
この度は単行本も発売されたので、今回は『最強伝説 黒沢』のスピンオフ『最強伝説 仲根』のレビューをしていこうと思う。
目次
最強伝説 仲根とは?
最強伝説 仲根とは、福本伸行の作品『最強伝説 黒沢』のスピンオフだ。
福本作品の代表作である『カイジ』や『アカギ』に隠れがちだが、『最強伝説 黒沢』も負けず劣らず面白い。
この黒沢に登場したキャラクター、それがこのスピンオフ主人公となる仲根秀平(なかねしゅうへい)である。
彼がどういったキャラクターであったかは後に紹介する。
ちなみに、スピンオフ元の黒沢が「さいきょうでんせつ」と読むのに対し、今作は「さいつよでんせつ」とルビが振られている。
恐らく、ネットスラング感を出して言うのであろう。
本作はビッグコミックスピリッツ発の無料WEB漫画サイト「やわらかスピリッツ」にて2017年12月より連載されている。
公式サイト(1話無料!)
ストーリー
インスタだ!フェイスブックだ!ツイッターだ!!
このSNS全盛時代に、一人の漢が立ち上がった!!!
漢の名は仲根!!銀行マン仲根!!! 今、仲根のインスタ最強伝説が始まる!!!
最強伝説黒沢に登場した仲根が、SNSで「いいね!」を貰ったり、目立つために奮闘するストーリーになっている。
@やわらかスピリッツ
この漫画の主人公・仲根秀平とは?
最強伝説黒沢のいち登場人物に過ぎず、かなりマイナーであるキャラクターであるため知らない人たちが大多数であろうから仲根について説明しておこう。
仲根は最強伝説黒沢において、黒沢と対立していた中学生ヤンキーグループのリーダー。
10代だが身長は黒沢が見上げるほど大きく、喧嘩の腕は誰にも負けたことのない超中学級。
カリスマ性の塊で更にスポーツ万能、頭の回転も極めて速く、金持ちで超モテる。
…という、ヤンキーなのになろう系主人公のようなスーパーハイスペックの持ち主。
自分のことを怖がり何も言ってこない大人たちに失望し蔑んでいたが、ゾンビのように這い上がり立ち向かってくる黒沢に感銘を受け(主に仲根の一方的な勘違いだが)、以降黒沢のことを兄さんと呼び慕うようになる。
つーかこいつ明らかに中学生ではない(精神年齢も黒沢より上とすら言える)
『最強伝説黒沢』時は15歳くらいで、この漫画の設定では24歳となっている。
10歳ほど歳を取り、社会人となったわけだ。
そんな10代のころは最強を誇った仲根も…
@やわらかスピリッツ
な、仲根( ;∀;)
現在は優秀な新人銀行マンとして働く毎日を送っている…というわけだ。
最強伝説 仲根 レビュー
というわけで、早速レビューをしていきたいと思う。
仲根がこんな大人になるなんて
『黒沢』における仲根は、まさしくスーパー中学生。
というか金持ちで英語も堪能で、ゴルフも出来るトンデモ中学生だったのに、なんで普通の銀行マンになっとるねん。
黒沢ファンから見ると、なにか違和感しかない。何かが違う。あの仲根がこんな普通な…しかも承認欲求を満たすためにSNSに精を出すなんて考えられない。
@やわらかスピリッツ
…しかし、聡明な仲根だったからこそ、敢えて普通の社会に迎合する道を選んだのかもしれない。
自分の将来は輝いたものになると思っていても、いつかは自分が蔑んでいた社会(おとな)になる。それを認められない連中は中途半端な生き方になってしまうのだけれども…
歳を取るにつれて、周りと同じように社会に矯正されていったということなのだろう。
だが、やはりこんな社会に屈した仲根は見たくなかったというのが本心である。
キャラ崩壊といってしまえばそうなるだろうか…?
みずほ銀行が協賛しているから…
この漫画は、みずほ銀行がスポンサーに付いている。なので仲根も銀行マンなのだろう。しかし、やはり仲根には最低でも世界を股にかける商社マンなど、普通じゃない職業に就いていてほしかった。
やはり、普通の銀行マンってのは違和感しかないなあ…
キャラの違和感を除けば秀逸
まあ、仲根のキャラの違和感さえ除けば、作品としては秀逸でかなり面白い。
絵柄も「カイジ」ではなく黒沢独特の作風に寄せており、原作ファンも問題なく楽しめるはずだ。
SNS社会へのアンチテーゼ足り得る作品に…
人間とは承認欲求が激しい生き物だ。マズローの欲求5段階説においても最上位の欲求とされているくらいで、これは底知れない欲求なのである。
昨今のSNSブームは、この人間の際限ない承認欲求を満たしてくれるツールであるからこそ、ここまで浸透しているのである。
いいね!を貰うことに躍起になっている仲根を嘲笑うのではなく、自分ごととして捉えて考えていくことも、大事なのではないだろうか?(ギャグ漫画だけどさ)
第一話は無料で読める!単行本も発売
万人受けするトネガワやハンチョウに比べれば賛否両論があるかもしれないが、非常に興味深く面白い作品なので、是非とも呼んでいただきたい。
冒頭にも書いたが、こちらの公式サイトにて1話を無料で読める。
また、単行本も発売。こちらも勿論要チェックだ。
また、仲根が出てくる原作「最強伝説 黒沢」から読むのもオススメ。福本作品にしては珍しくギャグマンガ調であるが、紛れもない傑作だ。掛け値なしに面白く、オススメ出来る。
ちなみに、黒沢も「新黒沢」として復活し、現在連載中。
福本先生の才能もまだまだ枯れていないと思わせる、今一番アツい福本作品だ。
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