目次
プトレマイオスについて
改訂で禁止にされてしまったプトレマイオスだが、明らかにこのカードの持つパワーは常軌を逸していた。先行有利を助長させていた要因であり、害悪と言ってもいいだろう。第一期EMEmでも当然の如く使用されていたが、エクストラデッキを圧迫するという弱点を考慮しても圧倒的な性能を誇るといっていいだろう。
まず、その高い守備力。この2600というラインは標準を超える高い数値を誇っており、モンスターで突破するには一筋縄ではいかない。
だが、①効果のエクシーズ・チェンジはスペルスピード2でもあるためサクリファイス・エスケープが可能であり、戦闘はおろか効果による破壊すらも極めて難しい。だが、このカードは確実に破壊しておかないと、次ターンにはさらに強力なモンスターに化けて出てくる可能性が極めて高くなるため、相手はなんとしても自ターン中での破壊を強いられることになる。理由はこのカードの重ね先である。
◆サイバー・ドラゴン・インフィニティ
強力な制圧能力と除去能力を併せ持つフィニッシャー級のランク6モンスター。本来は召喚条件が重く、内蔵された効果はそれに見合ったものなのだが、プトレマイオスにランク5である『サイバー・ドラゴン・ノヴァ』を重ね、更にノヴァを下敷きにすることで極めて容易に召喚が可能となる。プトレマイオスを超絶なるパワーカードとして押し上げている筆頭で、召喚を許せば除去は困難。敗北必至とすら言ってもいい。
◆セイクリッド・プレアデス
フリーバウンスを内蔵する強力なランク5。なんとかプトレマイオスの守備力を突破できるモンスターを場に出せても、こいつを上に重ねられることであっさりと除去されてしまう。相手からすれば本当にたまったものではない。プトレマイオスの守備力を超えるモンスターを出すためには殆どの場合2枚以上のカードを要するので、単純にアドバンテージ差で大きく水を空けられることになる。
◆星輝士セイクリッド・ダイヤ
主にプレアデスの②効果を使用するための下敷き。だが、このカード自身も十二分に強力なので墓地&闇属性デッキを相手取るときにはよく召喚されていた。基本プレアデスとのセット採用なので、このカードは2枚以上搭載されることが多かった。また、『サイバー・ドラゴン・インフィニティ』を狙って自分のターンで『サイバー・ドラゴン・ノヴァ』を重ねようとして『エフェクト・ヴェーラー』等を打たれた際、X素材が無くなりただのバニラモンスターと化したプレアデスの上にそのままエクシーズ・チェンジするという戦術も。
◆始祖の守護者ティラス
効果破壊耐性を持つランク5。対象を取る効果による破壊は困難なプレアデスに対し、『ブラック・ホール』などの全体除去による除去を狙っても、こいつが出てくれば無為になる。前述した3体に比べればパワーは低いが、それでも攻撃性能は十分に高い。
…と、主に上記のランク5(6)モンスターが状況に応じて飛び足してくるのである。弱いわけがない。特にインフィニティの存在から、相手はインフィニティの召喚を許すかディスアドバンテージを覚悟でプレアデスを召喚させるというプレイングすらも二者択一のプレイングを覚悟しなければならない(相手の誘発や罠次第ではそれも不発になったりするのでどうしようもない)
召喚した時点で相手に強制二者択一を強いる、理不尽としか言いようがないカードである。
第一期EMEm プトレマイオスとショックルーラーの理不尽さ
ヒグルミの登場によって完全なる純ペンデュラムデッキとして生まれたEMEmだったが、最初期はクラウンブレード要素であったサウザンド・ブレードが1枚積みされたりしていた。
また、ランク4による制圧を更に安定させるために、『ギゴバイト』などの特殊召喚モンスターも多く搭載されていた。魔法と罠は本当に必要最低限で、『狡猾な落とし穴』ともう1枚の『落とし穴』罠カードで罠は計2枚が基本。魔法も『揺れる眼差し』3枚と基本カードのみの構成。徹底的にペンデュラムを安定させた、合理的なデッキである。
とはいえ、この頃はまだ粗があったともいえる。1枚でアドバンテージを稼ぎ出すような、後述するモンキーボードのようなカードが無かったため。しかしペンデュラム出来なくともランク4の圧倒的な汎用性の高さにより、他のデッキより群を抜いて強力であった。
この時期は全盛期である【彼岸】【帝王】との3強状態。
とにかく先行を取ることが重要視された。
EMEmの先行展開は理不尽極まりないもので、ショック・ルーラー+プトレマイオス+フレシアの蟲惑魔という絶望的な布陣を作ることが出来た。無論ショック・ルーラーは魔法宣言。フレシア&プトレの存在によってモンスターによる突破もほぼ不可能なので、次ターンでプトレマイオスがインフィニティになってしまえばこの時点で敗北必至と言える。
それを防ぐためには対抗する【彼岸】【帝王】側も先行を奪い、制圧布陣を以って迎え撃つしかない。相手の返しさえ凌いでしまえば、返す刀でワンターンキルしてしまえるパワーがこれらのデッキにはあったので、3強たりえたと言える。
第二期EMEm 糞猿襲来でぶっちぎりの環境トップに 無人の野を征く無敵の強さ
プトレマイオスが禁止になったことにより相対的に弱体化…
したかと思われたが
糞猿こと『EMモンキーボード』が襲来。こいつ1枚でペンデュラムが可能になるという馬鹿みたいなサーチ効果によって、元々高かった安定性を更なる領域にまで押し上げることに成功。
プトレの穴は、ゴソっと抜けたエクストラの枠に他の汎用ランク4をぶち込んだことによってあっさりと解決。というよりも、間違いなくプトレと一緒にショックルーラーも禁止にするべきだっただろう。
完全にペンデュラムデッキとしての頂点を極め、もはや別次元の安定性とスピードを手に入れたEMEmは環境を完全掌握。彼岸と帝王を環境から駆逐し、最大の隆盛を誇った。EMEmに勝てるのはEMEmのみとすら嘯かれたのだから恐ろしい。ランク4の汎用性の高さゆえに苦手とするデッキが存在せず、妨害札2、3枚を超えてワンキルすら可能という圧倒的な物量(EMとEmのアド能力)によって暗黒期を演出した。
いやあ~~~~~~~・・・・・・・・・
この時期はマジでクソでしたね(笑)
マジでEMEm相手に勝てるのはEMEmしかいないんですもん。先行EMEmを止める確実な有効打は増殖するGくらいだったかな。ヴェーラーやタイフーンくらいじゃ止まらん止まらん。本当にヒグルミが厄介で、ペンデュラムゾーンに置かれていると非常に対処が難しい。EMとEmはホンマ優秀なモンスターばっかりですよ。
まあ、こんな横暴が許されるはずもなく、コナミによってモンキーボードとヒグルミ、ついでにダメージ・ジャグラーが禁止になってEMEmは完全に死んだ。
だがエンタメは生きていて…
終わりに
と、EM要素は生きていたので【EM竜剣士】としてこれまた爆発的に暴れまくるわけですが(笑)、この記事はEMEmだけの解説なので【EM竜剣士】について詳しく知りたい方はこちらの記事の目次から【EM竜剣士】の項目へと飛んでください(笑)
ほんとに9期は闇が深いデッキが多かったですね…ペンデュラムは特にアカン。
あとランク4強すぎ問題な。もうちょっと考えてデザインしてくれればいいんだけど…
コンマイにそれを求めるのは酷か。
それでは。
コメントを残す