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第4弾「混沌の軍勢」環境
強力な多色カードが引き続き登場
引き続き、多色推しの弾である。
これといって派手なカードは無いが、堅実な強さを持つカードが多く収録。とはいえ、張り切って強力に魔改造しすぎた前弾を反省してか、いわゆる純粋なパワーカードが少ない。結果、圧倒的な性能を誇るボルバルザークが引き続き猛威を奮う環境になってしまっている。
【ウェーブストライカー】 安価で組める優良ビートデッキ
この弾から追加されたデザイナーズデッキとして、【ウェーブストライカー】がまず真っ先に挙げられるだろう。
場にWS能力を持つクリーチャーが他に2体存在すれば強力な追加能力を得られるウェーブストライカークリーチャーで戦っていくデッキで、安定感とデッキの拡張性から高い人気を得た。主要カードのレアリティが軒並み低いので、カード資産的にも優しい。
【赤白速攻】『ホーリー・スパーク』はいつの時代も強い
『預言者クルト』『血風神官フンヌー』登場により、カウンター性能が高いアグロである赤白速攻が流行した。序盤、手札に来てしまった『ホーリー・スパーク』をマナ基盤として活かし切ることが出来るのが強みの1つであり、とにかくガンガンと盾を殴る。カウンターは盾のスパークやコロンに任せることになるが、エースアタッカーのフンヌーはブロッカー・スピードアタッカーを持ちつつも高いパワーを持ち、殴り返し要員の期待も出来る。
この手の速攻デッキは得てしてトリガーには非常に脆いが、それは開き直って運に任せるしかないし、生半可なビートダウンデッキ相手は盾のスパークをお祈りしたほうがいいので、ある意味環境への回答デッキの1つである。
ダイヤモンド・ブリザードが再流行
確実に1ターン延命できるこのカードは偉大だ。
速攻デッキの雄・ブリザードもナーフ後は一時期数を減らしていたものの、ナーフ後も十二分に強いことが認知された結果、再び隆盛した。
【白緑ブリザード】は長く第一線で活躍したデッキタイプであるが、マナを十分に伸ばしつつブリザードのリソース回復により粘り強く戦えるという、従来の速攻にはない強みを持った非常に強力なデッキである。このデッキにおいてもホーリースパークが光る。マナが伸びるこのデッキでは、スパークを手打ちで撃てることも大きい。速攻はヘブンズ・ゲートから登場した大型ブロッカーを正面から突破することはほぼ不可能なので、この時期のビートデッキはスパークのタッパーで一気にリーサルへ持ち込むことが重要であった。
ヘブンズ・ゲート降臨 【5C天門】が環境の頂点へ
最強のシールド・トリガー。ビートデッキは踏んでしまえば即投了レベルの強烈なカウンター札である。
『ヘブンズ・ゲート』は環境最初期はデッキ案が模索されていたためなかなか結果が出なかったものの、『悪魔精霊バルホルス』『血風精霊ザーディア』『剛撃精霊エリクシア』の3種大型ブロッカーと、エリクシアとマナ補完が出来るボルバルザークを切り札に据えた【5C天門】が完成。デュエプレの仕様であればマナ管理は比較的容易であること、エリクシアをフルスペックで運用できること、ボルバルザークの効果発動条件である10ターンまで遅延する戦術が大型ブロッカーを並べて耐久する戦略とマッチしており、かつエリクシアと合わせて緑マナを8枚に出来ることなどから、美しさすら感じる各カード間のシナジー、その驚異のデッキ完成度から瞬く間に環境トップに君臨した。
上記の強力なビートダウンデッキが環境で登場したものの、いまいち大きな結果を残せなかったのは、このデッキが強烈に上から抑えつけていたからである。
速攻デッキにとって『ヘブンズ・ゲート』はまさに天敵といえる存在であり、トリガーされたヘブンズ・ゲートから繰り出される強力ブロッカーを正面突破することはほとんど不可能に近い。
【天門】デッキが爆増したことで、『ロスト・ソウル』は評価をさらに上げることになった。コントロール対面で必殺のカードになることはもちろんであるが、【天門】はそのデッキの性質上、手札に大量のブロッカーやボルバルザークを貯め込まざるを得ないので、天門ミラーマッチにおいてはまさしく早期エンドカード級の破壊力となった。
天門ミラーはロスト・ソウルをどちらが先に撃てるかというゲームになっており、『ブレイン・チャージャー』(もしくは『リバース・チャージャー』)→『ブレイン・チャージャー』→『ロスト・ソウル』が鉄板ムーヴであった。
上記のようにコントロール・ビートダウン両面に五分以上に戦えるデッキであるが、天門デッキは必須となるカードが軒並みVR、SRと要求値が高いうえに複数枚の投入が基本(必須SRカードはなんとデッキの半分以上を占める)であり、デッキ構築難易度はこれまでのデッキとは比べものにならないほど高かったのが大きな特徴である。
また、ビートダウンデッキに無類の強さを誇るとはいえ、最速でヘブンズ・ゲートを手撃ちできるのはチャージャー呪文を絡めた場合の5ターン目であり、盾からヘブンズ・ゲートがトリガーしなければ、速攻デッキの前に何もできずに負けることもしばしばあった。
ボルバル・マスターズ襲来 猛威を奮うハンデス地獄
ハンデスとドローを同時にこなすのでほとんどの局面で腐らない。相手のボルバルを落とせれば儲けもの。
3弾環境から引き続き猛威を奮うボルバルコントロールと、ボルバルをフィニッシャーとして搭載した【天門】がトップメタに躍り出たことにより、『ボルバル・マスターズ』と呼ばれる環境が到来した(3弾環境後期からすでにボルバル一強状態ではあったが、今環境はそれがさらに加速したといえる)。
ボルバルザークにエクストラターンを発動させず墓地送りさせるにはハンデスしか有効な手段がないため、環境にはハンデスが蔓延した。【天門】デッキには小刻みなランダムハンデスが極めて有効であり、天門を自然にメタれる【白抜きハンデスボルバル】がボルバルコントロールの結論構築として環境で暴れた。このデッキは除去コントロールのフィニッシャーとしてボルバルザークを搭載した、【二角コントロール】や【ボルコン】の流れを汲むデッキであるが、緑マナとして採用されるのがボルバルザーク4枚だけというのが異質である。ゴースト・タッチ、汽車男、アクアポインターはこのデッキのハンデス3種の神器であり、汽車男やポインター、場合によってはボルバルザークを『エクストリーム・クロウラー』で使いまわす。
とにかくボルバルザークが環境の中心であり、10ターン以降の生存を許さないその圧倒的なフィニッシャー性能はまさに「ボルバルか、ボルバル以外か」を体現していた。
いかにハンデスでボルバルザークを手札から叩き落したところで、所詮デッキトップの対策は不可能であり、今引きされたボルバルザークから逆転されるのはかなりの理不尽感がある。
ほとんどのプレイヤーはボルバルザークが環境に閉塞感を与えている現状に気付いており、ボルバルはかなりのヘイトを集めていた。この状況はTCGと酷似しており、歴史は繰り返されるといったところか。
4弾環境総括:ボルバルザークを使わざるを得ない世紀末のような環境
ボルバルザークが環境を完全に支配していたのがこの4弾環境である。
ボルバルコントロールを相手取った場合、いかに10ターン前に勝負をつけるかが分水嶺になるのだが、極めて屈強な防御力・カウンター性能を誇る【5C天門】が登場したことで、早期決着を狙いうる速攻デッキが軒並み駆逐されてしまった。結果、遅延しやすい環境になったことでボルバルザークはさらに増長したといえる。
白緑ブリザードの速度とリソース回復があれば、ハンデスボルバルに対しては有利に立ち回れるが、やはり【天門】相手は厳しいと言わざるを得ない。
結果を見れば、ボルバルがフィニッシャーとなる【5C天門】と【ハンデスボルバル】が2トップであるといえるだろう。デッキの総合力で見れば【5C天門】が頭一つ抜けている。この上位2デッキになんとか食らいついていったのは【白緑ブリザード】だけである。
10ターン目以降にボルバルザークを雑にぶん投げ合う環境を世紀末と呼ばずになんと言おうか…
プレイングもへったくれもあるまい。ボルバルザークはまさしく”無双”なのである…
4弾環境Tierデッキ表
Tier1
【ボルバルハンデス】
【5C天門】
【赤白速攻】
【白緑ブリザード】
Tier2
【クイーン・メイデンビートダウン】
【ウェーブストライカー】
【ドルゲーザ】
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