こんばんわ。今回は私の大好きな作品を紹介しようと思う!
この上記記事でも紹介していた、『バジリスク~甲賀忍法帖~』。
私の大好きな作家でもある、山田風太郎が原作の漫画だ。山田風太郎は超エログロ・倫理的にOUTな作風であるため、映像化は無理とまで言われていたが、このコミカライズは後にアニメ化までされている!(実写なんて無かった、いいね?)
この作品を一言で表すならば、「少年漫画版ロミオとジュリエット」だ。
原作の『甲賀忍法帖』は、王道漫画の始祖と言ってもよいような、バトル物の画期的なシステムを確立させた草分け的な作品になっている。
忍法帖第1作のため、『魔界転生』や『柳生忍法帖』ほど大部ではなくシンプルではあるが、風太郎忍法帖の基本パターンは既に確立されており(ただし、忍法の名前を詠唱する描写がない)、20人の忍者たちが秘術を尽くして死闘を繰り広げる。作家の夢枕獏は「ストーリー上にチーム対決の要素を初めて盛り込んだのは山田風太郎が初めてであり、山田風太郎という作家が漫画界に与えた影響は計り知れない」と評しており、今日「バトル物」と分類される漫画やアニメ作品の始祖的な存在と言っても過言ではなく、日本のエンターテイメント界にとって極めて重要な作品である。
出典:Wikipedia
例えば、己を周りの風景に溶け込ませる「不可視化」といった極めて強力な能力に対し、身体から血霧を放出させるだけの戦闘能力に乏しく思える能力を持って倒す、など。能力の相性によって勝敗が左右されるような、単純な戦闘だけではない多数対多数の魅力を十二分に詰め込んでいる。
今回は、大まかなストーリーをなるべくネタバレのないように紹介していく。ネタバレありの考察・キャラ紹介などは別記事で紹介。
ストーリー
不戦の約定は解かれた…
将軍家世継ぎを決める代理戦争
歴史を担う忍者の戦いに引き裂かれんとする絆
バジリスク~甲賀忍法帖~『愛する者よ死に候らへ』
甲賀卍谷と伊賀鍔隠れに潜む一族は、ともに服部半蔵に率いられる忍者群同士でありながら、源平の昔より数百年、互いに憎悪を抱く不倶戴天の敵同士でもあった。服部の統制下、両門争闘の禁制によりかろうじて和平を保っていた。そのような中、甲賀組の首領甲賀弾正の孫弦之介と伊賀組の頭目お幻の孫娘朧は恋仲にあり、両家の縁組がすめば長きに亘った甲賀と伊賀の確執も解けるかと思われた。
そんな事情を知ってか知らずか、慶長19年4月末両首領を駿府城に呼び出した徳川家康と半蔵(二代目)が甲賀・伊賀の忍びに与えた使命は実に戦慄すべきものであった。徳川第三代将軍となる後継者選びに悩んでいた家康は、天海の提言を受け入れ、その選定を甲賀対伊賀の忍法争いによって決めることにしたのだ。
方法はそれぞれから10人ずつの「選手」を出し、最後まで生き残った者が託された巻物を再び家康の前に持ち帰ること。後継者は、伊賀が勝てば竹千代、甲賀が勝てば国千代と決まる。甲賀・伊賀とも選ばれた10人は皆、驚くべき肉体や技を持った者ばかり。そして、その中には祝言間近の弦之介と朧の名もあった…出典:Wikipedia
忍者漫画の代名詞『瞳術』!その先駆け的存在
タイトルの引き合いにも出した世界的人気漫画『NARUTO』。この作品を知らない人はいないだろう。
そして、NARUTOに登場する数ある忍法の中で、最も強力かつ物語において重要なファクターであったのが『瞳術』。
『白眼』、『写輪眼』、『輪廻眼』など、極めて強力な忍法はすべてこの『瞳術』であった。今でこそ『瞳術=忍法』という図式が出来上がったのはNARUTOの功績によるものだが、これらの元ネタは『甲賀忍法帖』にあるというわけだ。なにせNARUTOが連載する50年以上前に書かれた作品である。
甲賀弦之介の『瞳術』
別名矛眼術(『バジリスク新章~桜花忍法帖~』より)。
自らに向けられる『害意(殺意)』を対象者へ跳ね返す作中最強の忍法。剣を向けた相手に自害を強いる、敵の忍法をそのまま跳ね返すなど、極めて汎用性が高い上に殺傷能力に秀でる、完全にバランスブレイカーな能力である。敵である伊賀衆からも最警戒の能力となっており、対抗できるのは後述する朧の破幻の瞳だけである。作中序盤では、弦之介の瞳術をどう封じるかにフォーカスが当てられるのだが…
伊賀の朧の『破幻の瞳』
別名盾眼術(『バジリスク新章~桜花忍法帖~』より)。
その瞳に覗かれただけで全ての忍法は無力と化す。要は某ラノベの『幻想殺し(イマジンブレイカー)』。彼女の前では如何なる能力も意味を為さないが、忍者としての才能を持って生まれなかった彼女にとっては、結局のところ戦闘には不向きな忍法である。
この作品における『忍法』とは
『NARUTO』のように分身であったりとか、今日における忍者のイメージとはかけ離れていると言って良いだろう。
基本的には持ち得る特殊な能力は一つであり、生まれながらにしての身体的特徴、壮絶な修行の末に見つける身体能力、それらすべてを総合したものが『忍法』であり、兵器としての『忍者』であるのだ。忍びとは忍ぶものではなく捨て駒であり、また人殺しの道具でもある。それが群雄割拠の戦国時代、君主の尽くすために生まれてきた非情なるさだめなのである。
アニメ主題歌が超カッコいい
原作クラッシャーと悪名高いGONZO(アニメ制作会社)にしては珍しく、本漫画のアニメ化は高い評価を得ている。基本的には原作に準拠するだけでなく、物語を奥深くする補完的展開、良改変・キャラ付けが為されていて非常にクオリティの高い作品に仕上がっているので是非アニメも観てほしい。
主題歌の『甲賀忍法帖』は必聴!
圧倒的なスピード感
原作『甲賀忍法帖』が1巻で終わっているように、基本的には原作に忠実に、一切引き伸ばしなどもしていないため、漫画も5巻程度で終わる。
しかし、それ故に濃密でスピード感溢れる展開になっている。原作ありきの漫画の特徴か、「意味のない展開」がひとつもないのだ。特にラストは必見。
ネタバレなしで紹介というのもなかなか難しいが、本当におススメできるので是非読んでみてほしい。アニメ版も非常に出来が良いので、一見の価値あり。努力・友情・勝利の要素など無くても、アツくなれる忍者漫画だ。
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