「ライトノベル」と「小説」の違いについてわかりやすく解説する

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先日、友人とlineで会話していたらこのような事を問われた。

ライト「ノベル」なので、小説の広義の中での分類の一つというべきで、「軽小説」と訳せばわかりやすいかと思う。

私が祖母の家に正月挨拶に参ったとき、私の母の兄(叔父)と、酒の席で語らう機会があった。叔父も読書家なので何かと話が合うことが多かったのだが、彼の読み物のジャンルはSF・歴史・時代小説に比重を置いており、その蔵書を見せてくれるというので、昔叔父が使っていた部屋の本棚を見せてもらった。殆どはSFモノで、特に目を引いたのが「幻魔大戦」なる小説群だった。

後で調べたところによると、石ノ森御大が構想・執筆を手掛けた作品であるらしいのだが、私は全く知らなかった。平井和正氏の名前もそこで知ることになった。SF作品は若年層に受けるのなら、これもライトノベルの祖と考えた。

しかしとにかく読んでみたのだが、その文章の綿密さ、濃厚さ、重厚さに圧倒された。脳内再生される情景描写のスペクタクルは、若者が夢中になるのも頷ける面白さであった。しかし、故に読むのに疲れたのも事実であった。現代の基準に照らし合わせるのなら、これは一般にはライトノベル扱いはされまい。圧倒的スケールで描かれるSF文学作品だ、娯楽小説であろうとも分厚いハードカバーで出版されるべきものだろう。

そもそもライトノベルって?

さて、上記のこのような経験もあり、ますますライトノベルの定義がわからなくなってしまった。そこで、見も蓋もないが、やはりGoogle先生に頼ることにした。Wikipediaによれば、

巨大匿名掲示板『2ちゃんねる』内の「ライトノベル板」における定義「あなたがライトノベルと思うものがライトノベルです。ただし、他人の賛同を得られるとは限りません。」とある。

とんでもなく広義である。

もはやアバウトと呼んだほうがいいのかもしれない。あくまで文学の草分けなのだから、「他人の賛同を得られなくても良い」なんてスタンスはどうかと思う。いや、否定をしているわけではないのだが、頭の悪い人間が意味をはき違えると、「人間の捉え方、考え方なんてそれぞれだから答えは存在しない!」なんていう恣意的で思考停止的な考えに辿り着いてしまうはずだからだ。

殆どが手に取りやすい文庫本

そのライトノベルは、規格としては殆どが文庫版サイズである。文庫版はその殆どがA6判ないしは新書版、上製本の形をとることは無いため廉価。このような「軽さ」は、まさしく「ライト」といえる。

『スレイヤーズ』

90年代はVHSでのオリジナルビデオなどに、エログロナンセンスモノが流行った時期があった。 それはまさしく80年代から流行っていたSF作品の作風そのものでもあったため、一層刺激的な作品が市場に跋扈することと相成った。

この時期に出現した、ライトノベルというジャンルの方向性を確立するに至った衝撃作がスレイヤーズである。「剣と魔法」、子供から大人まで誰もがわかりやすいプロット、ギャグパートとシリアスパートの明瞭。「重厚で壮大なSF作品」の時代は終わりを告げ、わかりやすい「青春を読む」時代になったのだった。

まとめ

しかし、私を含め世間一般ではラノベは狭義としての捉え方しかされていないのが現状であろう。「電撃文庫」などのレーベルが出しているからライトノベル、などそういった棲み分けで区分されているというのが事実だ。

そもそも、この名前が良くないのだ。美少女や萌えを前面に押し出すのなら「美少女小説」とかでいいじゃないか、というか「ライトノベル=美少女が主人公とアハハンする小説」という風潮に則るなら、私の中では官能小説と一緒だ。というか、最近のラノベのほうが下手な官能小説より官能的な興奮を得られるじゃないか!

私としては、「サブカル小説」とか、そんなのに名前を変えたほうがいいと思うけどね(オイ)。

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