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『4522敗の記憶』
読んでいないファンは是非読んでほしい。
今更だが、先日Amazonで購入した。今さら紹介するまでもない、ベイスターズファン必読の一冊である。一昨日の0時過ぎに読み始めたのだが、面白くて止まらなくなり、結局3時まで読みふけってしまった。読書で夜更かししたのは殆ど2年ぶりだ。友人から借りた北方謙三の『水滸伝』ぶりに「面白くて止まらなくなる本」に出会えた。万人向けの作品ではなく、ファンブックにに近い。所謂ノンフィクションというやつで、横浜で生まれ、横浜を愛してきた筆者が関係者に綿密な取材をして生まれた一冊が-。大洋ホエ-ルズが誕生し、1度目のリーグ制覇。ベイスターズと名を変え、98年の栄光、マシンガン打線、暗黒に沈む球団、そしてDeNAへ。ここに至るまでのプロセスを、人間模様を、真実を。人を通じて、本というフィルターを通じて、我々ファンに語り掛けてくれるのだ。
12球団最多の歴代4522敗。敗北と挫折の記憶が、一瞬の輝きだった栄光と転落の記憶が、この一冊には詰まっている。だが敗者の美学、弱者のナルシズムは、スタジアムで時間を共有してきた人々に感動と共感を与える。ベイスターズファンであれば是非とも読んでほしい。きっと貴方も、読む手が止まらなくなること請け合いだ。
『今』読むからこそ、感じるカタルシスがある。
…上記文は、私が前ブログにて執筆したものである。
何故今更また紹介したかといえば、早い話が、まだこれを読んでいないベイスターズファンの方に、是非とも読んでいただきたいからだ。
私がこの本を読んだのは3年前で、ベイスターズがようやく最下位を脱出した年だ。
しかし、CS争いをしている今、この本をもう一度読みたくなり、kindleで買いなおしたのだが。
思わず涙が出そうになった。
これをカタルシスというのだろう。端的にいえば、「ようやくここまできた…」といった感情だろうか。
普段ブログで好き勝手書きまくっている私だが、ベイ愛は本物であると自負している。ベイスターズへのモチベーションが一気に回復するとともに、ベイスターズへの疑念、猜疑、失望感といった負の感情が昇華された、そんな後読の心地の良さよ。
今一度、鉢巻を〆なおして応援すべきとき。
やれ借金持ちでCSは恥ずかしいだの、石川消えろだの、ネガティヴ&一歩引いたスタンスで今年のブログ記事を書いてきたが、私は結果に固執するあまり、本質的なものを忘れていたようだ。
我々は、明日を生きる活力を貰っているに過ぎないのだから、それにまずは感謝をしたい。
今一度言う。是非、ベイスターズファンの皆さんには読んでもらいたい。
内容を詳しく語るのは無粋だし、それを全て伝え切れるわけはない。
この本は敗戦の、弱者の記憶に過ぎぬ。だが、それは全てこの球団の歴史なのだ。
何故、我々はこんなにも弱いチームを応援し続けたか。自分にもわからない回答を、この本は用意している。
カープも25年ぶりに優勝したのだ。止まぬ雨など無い。
チームはDeNAに受け継がれ、そして歓喜の記憶になることを、私は信じている。
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